PLC(シーケンサ)システムの仕組みから設計と導入時の注意点まで解説
PLC(シーケンサ)システムの基本的な仕組みから機器選定のポイント、設計時の注意点、導入手順まで詳しく解説しています。複数メーカーの機器を統合管理するためのポイントをわかりやすくお伝えします。
キーポイント:PLC(シーケンサ)システムを導入する前に知りたい仕組みや注意点
冷凍機や空調機を複数台管理している施設では、メーカーが異なる機器が混在しているケースが少なくありません。それぞれの機器を個別に監視と制御をしていると、管理の手間が増え、トラブル対応にも時間がかかってしまいます。このような課題を解決する手段として注目されているのが、PLC(シーケンサ)システムを活用した統合管理です。
しかし、初めてPLC(シーケンサ)システムの導入を検討する際には、機器の選定基準や設計時のポイント、導入手順など押さえるべき事項が数多く存在します。適切な知識がないまま導入を進めると、処理能力の不足や通信トラブルなど、運用開始後に問題が発生するリスクもあります。ここでは、PLC(シーケンサ)システムの基礎知識から機器選定のチェックポイント、導入手順と注意事項まで、初めての方でも理解しやすく解説していきます。
初めてのPLC導入を検討する前に知っておきたい基礎知識
製造現場や施設管理において、複数の機器を効率的に制御する装置として、PLCが広く活用されています。PLCは冷凍機や空調機などの設備を自動制御する装置であり、シーケンサとも呼ばれています。入力機器からの信号を受け取り、設定されたプログラムに従って処理を行い、出力機器を制御します。
従来の制御方法では、電磁リレーやタイマーを組み合わせたリレー回路が使用されていました。しかし回路の設計や変更に手間がかかり、配線の複雑化や制御盤の大型化といった課題がありました。PLCの登場でこれらが改善され、ソフトウェアで制御内容を変更できるため、機械を停止せずに動作調整ができ、設計工数も削減されています。
◇PLCが実現するシーケンス制御とは
PLCの基盤となる制御方式が「シーケンス制御」です。あらかじめ決められた順序で機械や設備を動作させる制御手法で、主に4つの種類があります。
◆時限制御
設定された時間だけ動作する方式で、洗濯機や炊飯器などに使用されています。
◆条件制御
特定条件が満たされたときに動作し、物理的な障害を防ぐ効果があります。
◆順序制御
設定順序に基づいて自動的に動作を進める手法で、製造ラインでの部品組み立てや塗装、検査などに活用されています。
◆計数制御
カウントに基づいて動作を制御する方式です。
◇複数メーカーの機器管理における課題
冷凍機や空調機を複数台運用している施設では、メーカーが異なる機器を使用しているケースが少なくありません。国内では三菱電機やオムロン、キーエンスなどが主要メーカーとして知られています。海外ではイタリアのCAREL社、ドイツのシーメンス、アメリカのロックウェルなども選択肢となります。大手メーカーの遠隔監視システムは自社製品のみを対象とするため、異なるメーカーの機器を統合管理することが困難です。
このような環境では、PLCを活用した一括管理システムが効率的な設備管理を実現する有効な選択肢となります。信頼できる業者にしっかりと相談し、自社の設備環境に最適なシステム構成を検討することが必要です。
PLCシステム導入時の機器選定と設計で押さえるべきポイント
PLCシステムを導入する際には、適切な機器選定とシステム設計が成功の鍵となります。冷凍機や空調機などの設備を統合管理するシステムでは、将来的な拡張性や処理能力を十分に考慮しなければ、導入後にトラブルが発生するリスクがあります。
◇処理能力とメモリ容量の確認
PLCの処理能力は、システムの信頼性と動作速度に直接影響します。処理能力を評価する指標として「スキャンタイム」があり、リアルタイム性が求められる制御システムでは、スキャンタイムが短く安定しているPLCを選ぶ必要があります。
メモリ容量も欠かせない選定基準です。複雑な条件分岐やさまざまなセンサーからの入力を必要とする場合、より多くのメモリが要求されます。メモリ不足はシステムの信頼性低下や運用トラブルの原因となるため、想定プログラム容量に対して余裕を持ったメモリ容量を確保することが推奨されます。
◇入出力点数と拡張性の検討
入出力点数とは、接続可能な入出力機器の数を指します。PLCを選定する際は、現在必要な点数だけでなく、将来的な機器追加の可能性も考慮する必要があります。最大点数を超えるとPLCユニット自体を交換しなければならず、大きなコストと時間のロスが発生します。
◇通信仕様と互換性の確認
複数メーカーの機器を統合管理する場合、通信プロトコルの互換性がとくに大切です。三菱電機やオムロン、キーエンス、CAREL社、シーメンス、ロックウェルなどのメーカーごとに独自の通信仕様を採用しています。異なるメーカーの製品を接続する際には、Modbusなどの汎用的な通信プロトコルに対応しているか事前に確認する必要があります。
とくにCAREL社の制御システムと他メーカーの冷凍や空調機器を統合する場合は、対応するユニットやプロトコルが必要になるケースがあります。納得できるまで相談し、自社の設備環境に最適なシステム構成を実現することが長期的な運用の成功につながります。
PLCシステム導入から運用開始までの手順と注意事項
PLCシステムの導入は、機器の選定から設計、配線、プログラム開発や試運転まで複数の工程を経る必要があります。各工程での適切な対応が、システムの安定稼働と長期的な信頼性を左右します。とくに初めて導入する場合は、事前の準備と段階的な検証が欠かせません。
◇設置環境の事前確認
PLCシステムの信頼性と安全性を確保するためには、設置場所の環境を十分に把握してシステムを構成する必要があります。温度や湿度、振動、衝撃などの影響を考慮し、ストレス要因をできるだけ少なくすることが求められます。
事前に適切な対策を施すことで、システムの信頼性は向上し、長期的な稼働率の向上が期待できます。冷凍機や空調機などの設備を管理する場合、環境条件に応じた保護対策が必要です。
◇プログラミングと試運転の大切さ
PLCによる制御を実現するには、ラダー図やST(構造化テキスト)などの専用言語でのプログラミングが不可欠です。基礎知識がないと設定や変更が困難なため、プログラミングスキルを持った技術者の確保や現場スタッフへの教育が必要になります。
プログラム開発後は、必ず試運転を実施し、設計通りに動作するかを検証します。想定されるすべての動作パターンを確認し、異常時の動作やアラーム機能が正常に働くかもチェックします。複数メーカーの機器を統合する場合は、各機器間の通信確認も欠かせません。
◇保守体制の構築と運用計画
PLCシステムは導入後も継続的な保守が必要です。従来のリレー回路と異なり、システム稼働中でもプログラム変更ができますが、運用中の変更には十分な注意が必要です。
トラブル発生時に迅速に対応できる体制を整えることも大切です。三菱電機やオムロン、CAREL社など、導入したメーカーの保守部品を確保しやすくするため、メーカー統一か複数メーカー対応の保守体制を構築することが推奨されます。信頼できる業者と連携し、保守体制を明確にしておくことで、安定した長期運用が実現できます。
複数メーカー機器の統合管理を実現するPLCシステム導入
PLCシステムは、冷凍機や空調機などの設備を効率的に制御するための大切な装置です。従来のリレー回路と比較して、プログラムによる柔軟な制御変更ができ、設計工数の削減や保守性の向上を実現します。導入にあたっては、処理能力やメモリ容量、入出力点数、通信プロトコルの互換性などの複数の選定基準を慎重に検討する必要があります。とくに複数メーカーの機器を統合管理する場合は、異なる通信仕様への対応が欠かせません。
株式会社ゼファーテックは、CAREL社の制御システムをはじめとした複数メーカーの機器を一括管理できる、システム構築の専門知識を有しています。冷凍や空調システムの統合監視や制御システム設計、カスタマイズまで一貫したサポートを提供し、お客様の設備環境に最適なソリューションを実現します。PLCシステムの導入や複数メーカー機器の統合管理でお困りの際は、納得できるまでしっかりとご相談ください。
ボタン:PLCシステムに関するご相談はこちら(https://www.zypher-tech.com/contact)